「5つの分教室の観察日記」博物館 “こくぼくん”とみんなの観察日記 ~畑から始まる協働的な学び~

京都府京都市立桃陽総合支援学校

画面イメージ

○こんな実践
5つの病院の分教室を、コラボノートとマスコットキャラクターのまさに“コラボ”により、直接接することができない子どもたちの距離を縮め、協働的な学習活動ができた実践である。
○注目ポイント
交流学習において、教師がそのやりとりの展開を進めていくことが多い。しかし、これは行き過ぎると、子どもたちの中に交流を“やらされてる感”が生まれてくることがある。本実践のポイントは、教師が前面に出てはいるのだが、それをキャラクターに置き換えることで、子どもたちが関わりやすくなり、教師が交流を進めていくものから子どもたち自らが進めていく展開へと変容させることが可能となる。このキャラクターと“コラボ”のコラボノート活用は、新たな手立ての一つとして大きな可能性を秘めている。
学校 京都府京都市立桃陽総合支援学校
実践学年組 小学部
先生 山口 香里,中園 正吾 先生
教科 特別活動
実践の目的
    5つの病院の分教室と本校の児童が,普段直接に会ってやりとりをすることはない。この実践を通して,すべての児童が主体的に活動することで,自ら学ぶ力を育むとともに自分と他者との関係を築き連帯感や交流の楽しみとなるようにする。
実践のポイント・工夫
    児童が,植物の成長記録をコラボノートで共有する中で,楽しみながら友達同士の関係性を作れるように配慮した。
    特に,児童自身が考え,主体的に発信できるように,ハンドパペットが,友達視点で言葉がけや動きを見せることで,児童がコメントしやすいように工夫した。
実践内容
    当校の人気キャラクターである“こくぼくん”,“ここなちゃん”と一緒に,本校の畑で植物を育てる。5つの分教室の(病院に入院している)児童は,感染対策上動植物と接することはできないので,常時観察できるリモートカメラを設置したり,撮影した動画をコラボノートで確認したりできるようにした。
    コラボノートで,分教室の児童が畑で育ててみたいお花や野菜を募集。その要望に対して,本校の児童が,土の準備から収穫までを,それぞれの意見を出し合い進めて行った。
コラボノートを使用してよかった点
    指導者や子どもたちが行うものと違い,キャラクターと一緒に日記を作っていくことで,参加意欲も高まり,子ども同士の自発的な言葉や活動を引き出せたことは大きい。本校と分教室では環境や実態が違うが,畑やキャラクターという共通項を通して,共にできる活動を考えることや,他の友達の考えを知ることにつながった。なお,これまでもそうであったが,年間を通して無理なく交流することができ,本校と分教室,分教室間の距離感が縮まり,協働的な学習活動ができた。
単元略案 「5つの分教室の観察日記」博物館 (PDF:199KB)